野良猫の目をして荒むきみの手をとらえてやるからそこから逃げるな
神様、とこぼれたあとに息をのむ 神様ぼくは、
間違ってますか。
遠い日の少年の心は擦りきれる いとしいひとよ おろかなひとよ
しがらみに生かされている
ぼくたちの呪いのようないとおしい日々
ほら いつか踏み潰した柘榴の夢が今でも赤く滴っている
どうしようもないぼくの隙間はいつもきみのかたちをしている
鈍色の雨に押し潰されそうです ここに、ここに、ここにいます
水際で溺れる羽蟻はぼくに似てそこから見れば滑稽だろう
吹きだまりで散らばる蝶の翅ほどのさみしさに舌を出してやる
もう捨てたおさなごころの残骸を掻き集めては胸痛む夏
過去形で語るのはまだ早すぎるけれどそれはもう今ではないんだ