新生活だ、と私は言った。
党生活者、とあなたは笑った。
「新しい」という比喩を、
秋について余り聞かない。
パチンコ屋のある町で
迎えている季節、
伏見区と南区を往き交う
ラスベガスには、白緑のネオンがあって、
ジャズ・スポットで、
真っ青な蛇の刺青。――あれから、
何十年もまるで経った気がする。
「みんな、大人になってしまった。」という顔をして、
けれど、やはり、私はここにいる。
亡霊のように、みんながいた。
Tも、MもIも。勿論、他の奴らだって。
皆それぞれが歳を喰ったさ。
コンビニのサラダと、同じ貧困、離別。
(Iだけが、花嫁の顔をして、
或いは
確かに経っているに違いない
「
この頃私は信じられる。
新生活だ、と私は言った。
民族移動、と私たちは笑った。
古刹のある町、
在るだろう、これからも、苦難。
涼しい秋、狭い新居のワンルームで。
確かにあなたは笑っていた。