愛の言葉

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恋人の頭蓋は星に満ちる透明な頭蓋。
「死んだら、あなたの髑髏しゃれこうべをください」と
ささやかな約束をとりつけて来た。
いつか、未来の、果てのない闇の中で
透明なあなたの語る
愛の言葉はもう言葉ではなく、
闇の中に満ちる、信号、またたき、間隔のリズム
なにか、そんなもの。
すべてのもののはざまに満ちる愛のリズムに守られ
ゆっくりと星を整えながら
あなたの頭蓋の宇宙、
その内側でひとり生きてゆくことの
(一夜も一生も、
生きてゆくことの)
快楽


*初出*

『詩とメルヘン』(サンリオ)1999年6月号掲載
[特集]松永禎朗+青木景子詩画集「炎のダンス」
詩集未収録作品
(画像・早坂類)

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