新しい友達ができた帰り道ふとどこからかレモンの匂い
あの人を訪ねにいこう南の空の雲のカーテンをそっと開いて
魂をからだにとどめる格子にとギンガムチェックのシャツを羽織った
風よ吹けこの星に流れる涙根こそぎかわかす春風よ吹け
鈴の音と思えば椿が首ひとつ落としていたよ 正午ぴったり
来年の今日にはここにない髪だからたいせつに洗わなくっちゃ
雪の花びらをじわじわと蝕んでくこのてのひらの三十六度
人生百年時代とニュースが言うもうくたびれてる二十五歳に
何となく青空に手をのばしたらぱきりと骨が鳴っただけでした
また傘を忘れて帰ってくるようにうっかり人を傷つけてしまう
伝えたい言葉をやっと言えたとき胸を破って飛び発つ小鳥