第2回RANGAI文庫賞発表
2021年第2回RANGAI文庫賞の受賞者を決定しましたのでおしらせ致します。
*受賞者2名*
こい瀬伊音さん 短編「うみせん・やません」他一篇
白城マヒロさん 短編「ハイエース・オンザロード」他二篇
今回の選考は早坂類とRANGAI代表の今田久士で行いました。
◾️こい瀬伊音さんの短編「うみせん・やません」他一篇評
完成度高く、安定感があり読ませる。内容、文体、感性のバランスの良さを感じる。淡々と長く書いてゆける人だと思う(今田久士)
早坂が見逃していた作品の中から今田久士の推薦によって最終選考に。ごくあたりまえの生活の中の棘をあぶりだしておりさらさらと読める反面、読後、重い澱のようなものが残る。素晴らしい。(早坂類)
◾️白城マヒロさん 短編「ハイエース・オンザロード」他二篇評
「ハイエース・オンザロード」は冒頭、ストーリーを把握できるまで時間がかかる。面白い内容なので冒頭のみ書きなおしてもらうことができれば全体にシュールで良いと思う。(今田久士)
「ハイエース・オンザロード」については徐々に見えてくる登場人物たちのただならぬ危うさが、昨今の不感症的な偽善やことなかれ主義を表現できていてとても面白い。他二編については再検討していただくことを前提に受賞とした。(早坂類)
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今田久士
RANGAI代表。山口県出身。大阪府立大学経済学部卒。吉行淳之介、色川武大、星新一、アガサクリスティーなどを読みつつ青春時代を過ごす。東京のメーカー勤務を経たのち北九州へ移住。京極堂と妖怪好き。
早坂類
RANGAI編集室長。ユリイカの新人、短歌研究新人賞次席、著書に小説『ルピナス』(講談社)、短歌集『風の吹く日にベランダにいる』(河出書房新社)、「早坂類自選歌集」等。青木景子名義での著書あり。
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たくさんのご応募ありがとうございました。作品はみな粒ぞろいで選考は大荒れでした。
ぜひ来年もチャレンジしてください。二名の受賞となりましたので、次席は無しとしました。(2021年12月1日記)
最終候補作品は
・白城マヒロさん 短編「ハイエース・オンザロード」他二篇
・パクチート・グミガミスキーさん 短編「ラブリーデイ」他二篇
・こい瀬伊音さん 短編「うみせん・やません」他一篇
・大田黒夏妃さん 現代詩14篇
・草野理恵子さん 詩作品25篇
・星野いのりさん 俳句「欲しかった」30句
・阿木龍一さん 短編「青い雪」他一篇