詩「何気ない幸せ」他

 

横になると密かに脈打つ

胸の内にある カタマリ

 

鼓動は一定のリズムを奏でながら

生きていることが当たり前のように

思えて違和感すらない

 

娘が生まれる瞬間

緊張感のある分娩室 僕は生まれる瞬間を

目の当たりにした。

 

うだかせてもらった時の命の暖かさと

泣き叫ぶ娘

伝わる鼓動に溢れた涙

 

何気ない幸せと忘れがちな命の重さ

 

 

別れ

 

お父ちゃんが亡くなって2年が経つ

 

火葬場近くに山百合がたくさん

咲いていて今でもよく覚えている

 

僕はゴウゴウと音がする焼場の前で

座りながらお父ちゃんとの懐かしい思い出を振り返っていた

 

良く一緒に温泉に行ったり

釣りにお父ちゃんを誘ったりもした

 

なにかとお父ちゃんも

付き合ってくれて

よくビールをお父ちゃんに奢ってあげた

記憶がよみがえる

 

ちなみにビールが温くなるのがいやで

呑むのが早いお父ちゃんは

決まってうまかったと

笑いながらいってたのを 

思いだす

 

そんな炎の中にいる

お父ちゃんを、ただ静かに 

見ていた

 

そばにあるロウソクの炎は焼場の

炎と同調するように赤々と燃えていた

 

 

 

登校拒否児

 

僕は学校という名の集団が

怖かったし嫌だった。

 

決まって日曜日の夕方始まるアニメと大喜利

明日学校だと知らされるようなテレビのお知らせ

みたいに見えた

 

当日  起きる前よりうずくまってた

登校時間がきたら泣きながら行きたくないと

駄々こねた

 

放り出されたランドセルは寂しそうに

転がっていた。

 

あまりに嫌すぎて熱が出た時もあった

しんどくなったら 仕方ない子やねーと

布団を敷いてくれた母

 

決まって教育テレビをつけるのが日課

バクさんや影絵のおとぎ話をみるのは

曜日さえ覚えていた

 

風邪なんか引いて熱が出ると

学校の教室を上から見た自分がいて

凄い勢いで離れていく悪夢をよく見た

 

大嫌いだったのは学校という

名の決まりごと

早く大人になって楽したいなんて

世間知らずな登校拒否児

 

 

 

Title…解放する気持ち

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