第五回RANGAI文庫賞受賞 俳句「南紀」花尻万博

第5回RANGAI文庫賞の受賞者が決まりましたのでおしらせ致します。

受賞おめでとうございます。

*受賞者1名*

◾️花尻万博(はなじり かずひろ)

俳句「南紀」

略歴 早稲田大学卒 共著(俳句オムニバス)数冊 無所属 第二回攝津幸彦賞、NHK学園全国俳句大会若い世代奨励賞、他。産経新聞和歌山欄短歌選者

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第5回目のRANGAI文庫賞は、花尻万博さんの俳句「南紀」(78句)に決まりました。全体に乾いたシュールな印象の作品群で素晴らしく、特に印象に残った句は、

次々と凍星沈む泥の中

燃え続く観光列車に夜短か

人生きて数多をこぼす海老の網

といった、映像として強くイメージの広がる句で、読んだ瞬間、背筋の伸びる思いでした。プロフィールを見ましたら攝津幸彦賞を受賞されており、産経新聞和歌山欄の短歌選者でもいらっしゃいます。RANGAI文庫賞にまた素晴らしい作品が加わり、とても嬉しく思いました。(早坂類)

作品の道具立てが特殊で、わかりやすくはないが、イメージの抽出に成功しており、従来の俳句で描けなかったものが描かれていますので、一句目から楽しめる読者は幸せです。目で文字を追った時と、声に出して読み上げたときのギャップも面白く、ふと俳句であったことを思い出すような二重露光的な世界でした。

(今田久士)

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今回、最終候補にもうひと方の詩作品が残っており非常に迷いました。何度でもチャレンジして欲しいので例年通り候補に残った方のお名前は公表しませんが、ギリギリまで迷いまして、今回、初めての俳句作品の受賞となりました。花尻さんの作品は従来の俳句からはやや離れた場所に咲いた花という印象で、RANGAIi(欄外)にふさわしく、作品としてはとても安定していますので、作品集の制作も安心して進められると思います。みなさん、楽しみにしていてください。(R)

RANGAI文庫のサイトでもご報告しています。

https://rangai.amebaownd.com/pages/4429587/page_202011292149

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