いまさら

君は或る日突然 僕の前に現れた
私はあなたを知っている
あなたは?

はじめまして と言うのが躊躇われて
つい嘘をついた
こんにちは、久しぶり

そんな小さな嘘がやがて
積み重なって積み重なってとてつもなく
大きなしこりになって、

君は言った
一つ嘘をつくと、その嘘を隠すために
また嘘をつかなきゃならなくなる
そうやって嘘は増殖していくのよ

あぁ、君と僕との間に横たわる嘘を 僕は
いまさら どうしたらいいんだろう

(写真・言の葉:にのみやさをり)

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