「ある真夜中の話」

真夜中に 一粒の星が舞い降りた
公園の端っこ

木の枝先で遊んでた栗鼠が見ていた
細い月が見ていた
幾つもの樹が見ていた

向こうからやってくるのは誰れ
いつか会ったことがあるような

そんな気がするのはもしや
いや、気のせい? それとも?

真夜中に 一陣の風が舞い降りた
海の端っこ

一頭のイルカが見ていた
一頭の鯨が見ていた
一塊のサンゴ礁が 見ていた

ああそうだ
やっぱり君だ

会いたかった…!

舞い降りた 魂は
死者の国から

栗鼠が見ていた
月が見ていた
樹が見ていた
イルカが見ていた
鯨が見ていた
サンゴ礁が見ていた

私が 見ていた

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