あの夏の日

誰が教えたわけでもないのに
君はよくその森の中へ入って行った
何をするというわけでもなく君は
そこで長い時間を過ごした
草を摘んだり、空を見上げたり
君にしか分からない時間を

あの日君はじっと何かを見つめていた
私には見えない何かを

ただ、じっと

あの夏の日君はそうして
ひとつ、年を重ねた

君にしか見えない何かを 追い求めて

(写真・言の葉:にのみやさをり)

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