眠りの時刻

今、クジラがジャンプした
北の海の沖で

おかげでこっちまで地響き
ぐぉ ぐぉ ごぐぉぉぉぉ
家人の鼾が ひときわ高まる

今、雲雀がピィィと啼いた
地球の裏側
緑生い茂る草原の真ん中で

その真上に寝ている娘が
エイヤッと私にキックを喰らわす
咄嗟に右手で受身
一緒に寝るのも なかなか楽ではない

今、イルカが笑った
東の果ての 青い海で

糸電話でつながっている私の耳の中
青い青い波が くわんと広がる

(写真・言の葉:にのみやさをり)

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