手紙~父さん、母さんへ



手紙



父さん、母さん。
あなたたちの私の中の記憶はいつも
その冷たい背中でした。
どうしようもなく突き放す
絶対的に冷たい背中でした。

いくら手を伸ばしても届かない
それが私にとって、父さん、母さん、
あなたたちでした。

それは今後も変わることはないと思います。

でも。
どうしてそんな背中でしかいられなかったのか。
それが年々分かるようになって
私の中にすとんと落ちてきたものがあります。

だから、もう、いいんです。

だから、
今日も明日も明後日も、
死ぬまでそんな背中を見せ続けてください。

私も死ぬまで
あなたがたを、追い続けます。

(写真・言の葉:にのみやさをり)

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