毎回その精巧な造りに驚くのだけれど、今回「本文の俳句は白インキのボールペンですべて手描き。一句ずつ手本となるテキストをプリンター出力し、上からなぞり書きをした。」とのこと。あまりに精巧に仕上がっているので、世にひとつしかない豆本、ということを忘れてしまいそうになる。RANGAI展で彼女の豆本を手に取る人は少なかった。それは本の形をしているものは印刷工場で大量生産されるものと思いこんでいたからではないか、大量生産の商品に慣れた目には、ちいさな本そのものがたったひとつの「作品」で、まさにそこに唯一つ産み出されて在るものだと実感できなかったからではないか、と、ふと…。(類)
それにしても山頭火。今生きていれば、なんとか障害とかなんとか依存症とか、それらしいレッテルがつきそうだ。彼に俳句があって良かった。RANGAIに誘いたい。