カーテン

窓を開けると爽やかな夜気が流れ込んだ、枕辺。
なかなか寝付かない子供の耳元で
私は人差し指をぷるーんと回していた。
週末、近付く幾度目かの台風。
ロキソニンやルルで何とか持たせている体調。
昨夜に引き続く今朝の苦しい受信に
返事を書きあぐねたまま、夜を迎えていた。
山巓の野薊。魔王の汽笛。そして死んだ獅子よ。
風葬、という単語をこの時刻に考えているのは、
恐らく、今日の昼間に友人が
自室での餓死を語ったからだろう。
座礁。質実。慈愛。植物園。
俺たちの手首には鎖が繫がれている。
一方の端が杭に固定され、杭は地に深く刺さっている。
俺たちがぷらぷらしないように。
俺たちが何処へも行かないように。
だから俺たちの計画はいつだって成功的に頓挫する!
彼女だ。怪物のように巨大な嫉妬が、
俺にペンを握らせている。
太い線をえがけと私は言った。
見る者に衝撃を与えろ、心を鷲摑みにしろ。
これがやはり返信だ。子供が寝静まった。
俺は窓を閉め、カーテンを閉じた。

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